二人の男女が何やら話しこんでいる。

 

女性というにはまだ少し幼さが残るが、肌は恐ろしく白く、少し癖がかかってはいるが柔らかそうな黒髪と大きな瞳が印象的な美しい少女。

そして、その隣には少女よりも随分長身な男がいた。男の髪は赤茶けているが太陽のような明るさ強さの伺える面差しから、この二人は「絵になる二人」という表現があてはまるかもしれない。

しかし、もし二人を知っているものから見たら何というだろう。

 

「異様な組み合わせ。」

 

 

『氷の微笑』

 

 

(あ?トワじゃねーか)

もう見慣れた、そう憎たらしい大林永遠を見つけちまった。視野に入れちまった。

でも、その横にはもっと見たくなかったヤツが・・・華奢で白い肌を守るかのように制服をキチンと着込む女。

こんな暑い日に、この暑苦しい制服を着崩さない人間がいるとしたら、俺の知るところ一人だ。

姫野白雪。

嫌いってわけじゃねーけど、すっげー苦手。可愛い顔して何考えてるか分からないから、影で『氷の女』とか呼ばれてる。

俺だって関わりあいたくなんてないね。

 

一人でごちても進まなくてはならない、なぜなら仕事だからだ。

このタモツは悪魔族で構成される特殊警察ヘルズに所属するが、同職種といえる(ある意味では間逆の立場ではあるのだが)天使族で構成される特殊警察ヘブンズへはたまたま使いに出されて、現在この状況へ至っている。

 

「何を言い出すんですか、あなたは。意味が分かりません。」

「分からんか?そのまんまの意味でいーんだけど。俺様とタッグ組もうぜ?姫野と俺って相性良いと思うんだよね、小林リセより」

「…それは上が決めることです。失礼します」

 

普段と変わらないトーンで言い切ると、永遠を残して姫野は行ってしまった。

置いてきぼりにされたトワは姫野の後ろ姿を見つめて突っ立ったままだった、

「フラれてやんの。」

後ろから声をかけてやった、もちろん驚かすつもりで。

「おぉっ!タモツ!ビックリしたじゃねーか」

「けっ、まだ仕事中だろ?女口説いてていいのかよ、暇な会社だな」

皮肉たっぷりに吐き捨ててやるが、軽くかえされてしまう。いつもの二人の会話のパターンである。

 

「思いっきり仕事の話だぜ?あいつを俺様の部署に引きずり込もうっていう、大事なお話だ」

「その大事なお話を見事フラれちまったってわけだ。女ったらしのトワ様には珍しいな」

「いや〜、まだまだこれからなんだって」

 

トワとは腐れ縁、というか一方的な恋敵だ。だが当のコイツは俺の事トモダチか何かと思ってるみたいで、結構話はしてる。

この男は色恋には疎い癖に、なぜか女が引っかかるんだ。

コイツのそういう鈍い所が許せなかったんだが、姫野がアッサリとフッてくれたのを見て少しスッキリした。

 

「姫野って確か、小林リセのパートナーだろ?最強のコンビって有名じゃん?」

「今はそー言われってかもしんねーけど、そのうち俺様と最強の道を進むことになるから。」

どうしたんだよ、いつも以上に暑苦しいよ、お前。

「姫野、ぜってー俺様のものにしてやる。ガハハ」

うわ!告白しっちゃったよ!

「大林、それは告白か?お前って姫野のこと・・・」 誰もが恐れる『氷の女』だぜ?

「あ?何言ってんだ。姫野は最高のアビリティ持ってるし、頭も良い。あいつ以上のパートナーなんていねーだろ」

あ、そういうこと?流石、トワ君。色恋なんて関係なかったよね。

 

「・・・まぁ、確かに結構可愛い所あるからな〜個人的に興味がないわけでもねーかな」

 

 

・・・!!?

 

「いくら顔が可愛くても、あんな謎なヤツとどう付き合うってんだよ!?」

トワのまさかの答えに思わず動揺してしまった。

これまで、女の事なんか二の次と言わんばかりの仕事人間だったくせに!任務と車さえあればご機嫌なヤツの言うセリフとは到底思えなかったから。

人がめちゃくちゃ動揺してる横で、トワはあごを掻いて飄々としている。

「謎〜?めっちゃ分かりやすいじゃん」

はぁ・・・?どこがだよとか、それは勝手なお前の解釈じゃなくて?とか色々言おうとして何一つ言えなかった。

だけど、トワは勝手に例を上げていく。

「う〜ん、笑ったりしたら可愛いしな。ムスっとされたりする方が多いけど。」

笑う?姫野が?ムスっとしてるのなんていつもじゃん。

なんだか、コイツの思考回路がまったく分からなくなってきた。

 

誰もが恐れ多くて近寄れない『氷の女』に果敢にもアタックする男。

しかも、その上に「笑顔が可愛い」とか言い出した。

これはもう末期なのかもしれない。恋愛に免疫がないから出来る技だろう。

おれはその日の使いを無事に終えたのか、それすらも記憶から飛ぶくらいの衝撃を受けた。

トワのいうように、再び廊下ですれ違った姫野を盗み見てみるが端正に整えられた表情に乱れなんてない。

 

ほんと、ヘブンズなんてところは変な奴が集まる、分からない所だ。

だけどその日から、いつか俺もその『氷の微笑』を見てみたいと望むようになったんだ。

 

 

 

 


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トワとたもつが出てくるけどトワシラ!
ということでイラちゃんが書いてくれた小説です!!
がっは!!

イラちゃんはトワシラの女王様です。
しばらくにやけ顔がとまりませんでした。
UPが遅れてしまってごめんなさい。
ありがとうございましたー!!